STトピック③ 失語症とは…。

皆さん、こんにちは。早いもので、STトピックも3つ目となりました。前回まではアプリについてご紹介しましたが、今回はちょっと原点に立ち返って、症状についてお話していきたいと思います。知らない方にわかりやすく!(なるといいなぁ…)説明していきます!

さて、失語症というと、皆さんどんなものを思い浮かべますか?なんとなく、「物の名前が出てこないのかな」なんて感じる方が多いんじゃないかと思います。間違ってはいませんが、それは失語症のほんの一側面に過ぎません。では失語症とはなんなのでしょうか。

失語症の定義としては、「(特に)脳の障害による、言語の全ての側面に関わる障害」とされています。全ての側面とは、一般的に「聴く」「話す」「読む」「書く」能力のことを指します。程度の差こそあれ、これら全てが障害される、というのが失語症となります。(認知症や構音障害と紛らわしいところもあるのですが、その辺りはまた別の機会に…)

…………………、さあご理解いただけましたでしょうか。

いやいや、定義なんか聞いたところで、専門家でもないとわかりにくいですよね。そこで具体例を少し。

ST「(猫の絵、または写真を見せて)これは何ですか?」%e3%81%b5%e3%81%8f%e3%82%8d%e3%81%86%e5%a4%b1%e8%aa%9e

患者様「…………???」

さあ、この時、どんなことが考えられるでしょうか?「猫」そのものがわからないかもしれません。4つ足でニャーと鳴く動物だとわかるけれど、名前が出てこないのかもしれません。はたまた、STからの「これは何ですか?」という質問自体が理解できていないのでしょうか。

例えば「聴く」能力が障害されていると、質問内容が理解できません。「話す」能力の障害であれば、イメージはできていてもなんて言ったらいいのかわからない…。こんな状況です。皆さん、こんな経験はありませんか?私はあります。……………え?失語症になったのかって?いえいえ、失語症でない方でも、人によってはこんな経験をすることがあるんです。

話しかけられても言葉が理解できず、自分から何と言ったらいいのかわからない…。想像ついた方もいらっしゃるんじゃないですか?そう、海外旅行です!特に英語圏以外の国に行った時なんて、まさにこんな感じじゃないでしょうか。失語症の方は、いきなり言葉のわからない外国に放り込まれたように感じる、とも考えられるのです。ただし、決定的に違うところもあります。それは何か。特に障害を持っていなければ、私たちは母国語を使って情報収集したり、考えを表現したりすることができます。でも、失語症の方はそれができないんです。

さあ、少しはイメージがついてきましたでしょうか?ここからまた、社会復帰できるようにリハビリを行っていくのが、ST(言語聴覚士)となります。まずは簡単にでも、失語症というものがどんなものかわかっていただければ幸いです。知り合いが脳卒中で言葉が出なくなってしまった!なんてときに、ちょっと思い出していただいて、その方がどんな気持ちでいるのか、想像し、寄り添っていただきたいと思います。

次回は失語症の方とのコミュニケーションについてです。それでは、また次のコラムでお会いしましょう。

 

ソフィアメディ

教育・研修課:若尾