新卒訪問看護師の勧め①【花火の思い出】

こんにちは。クオリティ・マネジメント部の部長の小川綾乃です。
毎日暑い日が続いていますね。
先日神宮で花火大会があり、私は少し離れたビルから偶然花火を見ることが出来ました。花火の時期になると毎年思い出すお客様がいます。
お客様はまだ40代、がんの終末期の方でした。お仕事も途中でお休みせざるを得なくなり、それでも希望を捨てず復職をしたいと頑張って治療に励まれていました。

息子さんがまだ成人前でしたので「大学卒業するまでは頑張らないとね」が口癖でした。骨転移がある為コルセットをしながら生活されており、起き上がることも禁止されていましたが、いつも朗らかにお過ごしでした。
病状が進み、ご本人と何がしたいか、というお話になった時にご本人は直ぐに「花火が見たい」と。私はご本人の希望を叶える為に何が出来るか必死で考えました。










当日どのように動くか、花火の前後は道路も混むし長時間の往復は負担が掛かるから当日はホテルに泊まって翌日帰ろう、そんなことをご本人やご家族と話し合いました。移乗や移動に関しては周囲の看護師、セラピスト達とも相談をして出来る限りの調整をしました。

今まで車で30分ほどの場所へ半日程度の外出の介助はしたことがありましたが、病気や障害を持つ方が泊りがけで旅行に行くことは想像以上に大変なことだと改めて思いました。毎回お伺いしている際の話し合いではご本人もですが、奥さんがとても嬉しそうなご様子でこちらまでついつい笑顔になり、お話が盛り上がりました。

いよいよ当日。親戚の方が一緒に付いて行ってくださるとのことで、ご本人、奥様、息子さんと4人で出掛けられました。お天気にも恵まれ、渋滞も無くスムーズにホテルまで行けたそうです。そして皆さんで花火大会を満喫して大満足でお戻りになりました。
「楽しかったよ。」「心配だったけど行ってよかった。」とお話しされるご家族全員の笑顔がすべてを物語っていました。外出に意欲的になられ、お亡くなりになる直前までご家族でお出かけを楽しまれました。


ご本人に今何をしたいか、ということをお尋ねすることは残された時間が少ないことを突き付けてしまうのではないかと非常に不安でしたが思い切ってお聞きしてよかった、と思えた内容でした。
ご自身のやりたいことをどこまで叶えられるか、当然看護師一人の力では難しいのでチームで協力していくことが必要だと思います。自分のステーションだけでなく、周囲のフォーマル、インフォーマルな資源を活用しご希望を叶えられたら素敵ですね。